小腸を動かそう

 

 太鼓腹作戦、 或いは 放牧養豚の普及をしていく過程で、なぜ 太鼓腹がいいのだろうか? あるいは、放牧でどうして、食下量が増加するのか ?など論議と研究がすすめられてきました。

特に、太鼓腹と小腸粘膜の発達 それに伴う 免疫力の増加は、あらためて、生体の免疫力アップという点で 大きな感動を呼んだことと思います。

ただ、太鼓腹給餌法による小腸粘膜絨毛の発達は、液体のミルクによる刺激というよりも、ドライな餌を中心とする固形分が、ミルクにつられて食い込まれ、その刺激で伸びるといえます。

同様に、野外放牧においても、子豚は、草、土などこれまで、口に入れてこなかったような固形物を、餌とは、関係なく口に取り入れるようになります。

このような、固形物は、大部分が消化されずに出てきます。

これらの ドライ、固形物は、小腸の内壁、粘膜を刺激し、「小腸を動かします。」これこそが、小腸の免疫系発達のキーポイントなのです。

浮腫病対策で、餌の質を落とすのも、ここらあたりの原理が見え隠れしているようです。小腸を動かすことでの、免疫力アップは、例えば、青草を給与してやることなどでも 出来るかもしれません。

背骨がみえていたが、太鼓腹給餌で、回復しつつある離乳子豚

普通、がれて、だめになるような 子豚でも、ある程度食い込んでくると、まず、お腹が出来 ついで 全体に大きくなり、回復する。

写真の子豚のお腹

まず、小腸の膨張により、横にお腹が張ることが、観察できます。

こうなって、餌を食べる競争に負けなくなれば、回復は、急ピッチに進みます。