2015年11月 イギリス研修 〜 頑張るイギリスの放牧養豚


 イギリスの養豚産業自体は、1990年の母豚数80万頭から現在半減、40万頭になっています。しかし、放牧養豚発祥の地です。放牧養豚の割合は確実に増え25年前の30%から40%に増加していました。

 また、スーパーの店頭でも、豚肉は "OUT DOOR" あるいは"GREAT OUT DOOR"というブランド名で放牧由来の豚であることが明示されており、その肉は通常の5割高ほどで通用しています。

 また驚くことに育種農場、いわゆるブリーダー(種畜生産者)は、豚でも800農場ほど残っています。これらのブリーダー達の存在が、育種の本場としてのイギリスの伝統を守っています。

 それらを11月2日から9日まで訪問する機会がありましたので、その写真アップしておきます。佐渡金山でのモモハムづくりも報告しておきます。





▲中ヨークシャーの親子
こんなに鼻が曲がっている(これを皿顔=ディッシュフェイスといいます)中ヨークはいないというのが一致した意見。
離乳は56日令。子豚も、母豚の餌を食べるようになる。





▲羊かと思ったら豚だった???
なんと「ハンガリーの国宝」といわれた、マンガリッツァ豚が、イギリスでも放牧で飼われていたのです。
BPA(イギリス養豚協会)でも、ウィリーピッグ(羊豚)といって、その普及につとめています。





▲ポットベリー(ベトナム原産のミニ豚)とマンガリッツァ豚の放牧での混合飼養
放牧では、複数の種類の豚を、同一の区画の放牧場で飼養することも普通に行われています。
このような自然交雑で思ってもみない「品種」が生まれるようです。





▲佐渡金山で熟成中の生ハムの断面(カット面)
外側は、カビにおおわれていますが、内部までは入ってきません。
今は、生ハム状態ですが、あと1年で乾燥熟成させる予定です。